不動産競売流れ01

こんにちは、管理人のサトウです。

このページでは、不動産の競売に至るまでと競売の入札から落札までの流れについてまとめてあります。

一戸建やマンションなどのマイホームを購入する際に利用した住宅ローンの支払いを滞納し、そのまま放置すると、債権者によって競売の手続きが行なわれます。

住宅ローンの支払いに困窮されている方や、競売物件の購入を検討されている方は是非一読してみて下さい。

競売ってどのようなもの?

不動産競売流れ02

戸建やマンションなどの不動産を購入する際、住宅ローンを利用する方がほとんどです。金融機関などの債権者は、住宅ローンの融資を行う時、対象不動産に抵当権を設定します。

抵当権とは、万が一支払いが滞るとこの抵当権のついた不動産を売却して債権を回収する権利のことです。債務者が住宅ローンの返済を滞納すると、債権者はこの権利によって、担保となっている不動産を法的に売却する手続きを裁判所に申立てます。

裁判所を介して、不動産を売却することを「競売」といいます。

競売は、裁判所を介した法的措置のため、債務者の意思は尊重されず、債務者にとっては様々な不都合が発生します。

また、マイホーム購入の融資だけでなく、投資目的とした不動産購入の融資や、事業主が事業資金の借入のために手持ちの不動産を担保として融資を受けた場合も、返済を滞納すると競売の対象となります。

 

競売がどのようなものなのかは、別記事にて詳細を記載していますので、一読してみて下さい。

競売に至るまでの流れ

住宅ローンの返済を1、2回滞納したからといって、すぐに競売の手続きが行われることはありません。

下記図に、住宅ローンの支払滞納から競売に至るまでのおおまかな流れを示しますので、参考にしてみて下さい。

不動産競売流れ05

1.督促状/催告書が届く(約1~5カ月後)

住宅ローンの支払いを滞納すると、債権者(金融機関など)から「住宅ローン支払依頼」といった通知が届きます。この通知が届いて、すぐに滞納額を支払えば特に問題はありません。

 

しかし、通知を無視して滞納を続けると、債権者から「督促状(とくそくじょう)」が届きます。督促状とは、『指定された期日までに、滞納額の支払を完了してください』といった住宅ローン返済を強く催促する書状で、債権者が競売申立などの権利を行使するための前提となる書状です。

更に滞納を続けると、「催告書(さいこくしょ)」が届きます。催告書とは、『指定された期日までに、滞納額を一括で支払わない場合には法的手続きを進める』といった内容の書状です。催告書は、競売に向けた債権者からの最終通告となる書状で、内容証明郵便で届く場合もあります。

 

住宅ローンの返済を数回(金融機関によって異なりますが、3回程度)滞納すると、個人信用情報期間に登録されます。俗にいうブラックリストに載ることになります。

2.期限の利益喪失の通知が届く(約6カ月後)

銀行などの金融機関からの住宅ローン融資を受ける際、債務者(申込者)と債権者(金融機関)の間にて「金銭消費貸借契約」という契約を結びます。

この契約書には、「借入金は、決められた期日ごとに分割して返済することが可能」といった文言が記載されており、住宅ローンを普通に返済していれば、残りのローンを債権者から『至急、一括にて全額返済せよ!』といった事ができないように民法(「期限の利益」)で定められています。

住宅ローンの場合、一般的には、合計6回滞納してしまうと、「期限の利益」の権利を喪失します。そうすると、債権者から『定められた期日までに、借入金残額を現金にて一括で返済すること』といった内容が記載された「期限の利益喪失」の通知が届くことになります。

3.代位弁済の通知が届く(約7カ月後)

債務者が住宅ローンの支払いを滞納した場合、数百万、数千万円もの金額を一括にて返済することは非常に困難なので、債務者と保証会社や保証協会との間にて「保証委託契約」という契約を結ぶことが一般的です。
※金銭消費貸借契約と保証委託契約をペアで契約することが多いです。

そのため、債務者が期限の利益を喪失した場合には、保証委託契約に基づき、保証会社が債務者に代わって、債権者に借入金残額(利息も含む)を一括で支払うことになります。これを「代位弁済」といいます。

 

この代位弁済が行なわれると、保証会社から、『指定された期日までに、立替えた借入金を一括で返済すること』という内容が記載された「代位返済」の通知が届きます。
※滞納した住宅ローンを返済先が、金融機関から保証会社に変更されただけです。

一括返済されなければ、保証会社は競売に向け、申し立て手続きを始めることになります。

4.不動産差押の通知が届く(約8カ月後)

代位弁済通知書が届き、指定された期日までに一括返済しなかった場合、保証会社は、裁判所に対し競売の申立てを行います。競売の申立てが行なわれると、担保となっている不動産の差押さえが行なわれ、裁判所から「不動産差押」の通知が届きます。

差押さえとは、債権者の権利(貸金を返済してもらう権利)を守るため、債務者が所有する不動産を、債務者が自由に売却できないようにするための処置のことです。

※不動産が差押えられると、その不動産の登記簿に「差押」という登記がされます。差押登記がされてしまうと、所有者が自由に売却することはできず、競売を回避することは非常に困難となります。

5.競売開始決定の通知が届く(約9カ月後)

保証会社が行なった競売の申立てが裁判所にて受理されると、「競売開始決定(正式名称:担保不動産競売開始決定)」の通知が届きます。

この通知により、競売の手続きが本格的に行われます。

6.現況調査の実施(約10カ月後)

競売開始決定通知から約1~2か月後、裁判所の執行官および不動産鑑定士によって現況調査が行われます。

この現況調査は、プライバシーの保護の観点からはほど遠いもので、不動産所有者の許可などは関係なく、裁判所の権限により、敷地調査をはじめ屋内の内部調査、写真撮影、聞き取り調査などが行われます。

この調査結果は、公開(新聞、住宅情報誌、インターネット、裁判所など)されてしまうので、周囲に知られてしまうことになります。

 

現地調査後、執行官および不動産鑑定士は、現況評価結果から、「現況調査報告書」と「不動産評価書」を作成します。

裁判所は、この2つの資料をもとに競売価格(「売却基準価格」)を決定します。競売価格は、不動産鑑定士の査定額の5~7割程度が基準となります。

7.競売期間入札の通知が届く(約13~16カ月後)

現況調査が行われ、競売価格が決定すると、競売の入札期間(開始日時、終了日時)、開札日時、売却価格が記載された「入札期間通知書」が裁判所から債務者宛に送られます。

この競売開札日前日が任意売却可能な期限です。しかし競売を取り下げるためには、全ての債権者から任意売却の承諾を得る必要があるため、実際には、競売開札期日の2日前までが期限と考えた方が良いです。

競売情報公開から落札までの流れ

不動産競売流れ03

次に、競売情報公開から落札までの流れについて説明します。

1.売却実施公告(入札期日の2週間前)

入札期日の2週間前までには、物件情報が一般公開されます。インターネット上の競売物件専門サイトには、物件の詳細情報である、「物件明細書」、「現況調査報告書」、「不動産評価書」の3点セットが掲載され、必要な人はダウンロードすることができます。

新聞、不動産情報誌などの紙媒体の場合には、簡易情報が掲載されます。

2.入札、開札(期間入札通知より約2ヵ月後)

入札には、「期日入札」と「期間入札」の2種類があります。競売の場合、現在最も多く利用されているのは「期間入札」です。

期間入札とは、定められた期間内に、直接又は郵送等で入札書を提出し、別途定められた日に開札を行う方法です。一方、期日入札は、競売日として指定された時間内に、入札会場にて入札書を提出し、当日に開札を行います。

※競売の取り下げ申し立ては、開札日の前日までであれば理論上は可能です。しかし、現実問題としては、入札期日の直前になって競売取り下げの手続きを始めることは難しいでしょう。

3.落札、引き渡し命令

物件が落札されると、競売物件の所有権は、「所有権移転登記」によって落札者に移転し、不動産は落札者の所有となります。

それと同時に元所有者宛に、「引き渡し命令」が届き、指定された期日までに強制退去となります。

■債務者:競売を回避するには

不動産競売流れ04

競売を回避するための手段として、「任意売却」が挙げられます。

任意売却は法的措置ではなく、債務者が債権者と交渉しながら進める売却方法です。競売と比べ、市場相場により近い金額で売却でき、より多く返済できる可能性があるため、残債を減らすことが期待できます。

交渉しながら進めることが出来るので、売却にかかる費用や引っ越し費用を売却代金から捻出したり、退去日の相談などを相談することが可能であり、競売と比較し新生活に向けての多くのサポートを受けることが可能性が高いです。

 

任意売却がどのようなものなのかは、別記事にて詳細を記載していますので、一読してみて下さい。

■購入希望者:競売物件に入札するには

競売物件に入札したいと考えている場合は、インターネットの競売物件専門サイトにて、物件情報について調査しましょう。

競売物件に関するウェブサイトには、裁判所が運営している「BIT(不動産競売物件情報サイト)」や、一般社団法人 不動産競売流通協会(FKR)が運営している「981.jp」などがあります。

競売物件に関する重要情報である「3点セット」も、こちらからダウンロードすることができますが、一部地域など、該当していない場合には直接裁判所に出向いて、取得することになります。

入札したい物件が決まったら、まずは保証金を納入し、その後正式に入札の手続きをとります。

 

競売の物件情報の入手方法については、別記事にて詳細を記載していますので、一読してみて下さい。

まとめ

不動産の競売に至るまでと競売の入札から落札までの流れについて紹介しました。

債務者にとって競売は大きな損失となるため、できることなら回避したいものです。個々の状況に応じた最適な手段によって解決できるよう少しでも早く専門家に相談することが大切です。

また購入希望者にとって、競売物件は格安というメリットがありますが、その裏にはリスクが高いという事実もあり、十分な知識や経験が必要です。

 

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