マイホームを購入する際に気になるのが、毎年発生する固定資産税ですよね。一体、いくらくらいかかるのか、戸建てとマンションではどちらが高くなるのか、気になる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、固定資産税の基本的な仕組みから、戸建て・マンション別の平均額、具体的な計算方法、さらには固定資産税を安くする方法まで、わかりやすく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、固定資産税について理解を深め、将来の住宅購入に役立ててください。
固定資産税の基礎知識:住宅の所有者が支払う税金
固定資産税は、土地や建物といった不動産などの固定資産を所有している人が毎年支払う税金のことです。固定資産税は、私たちが住んでいる地域をより良くするために使われています。例えば、道路の整備や公園の維持、学校や病院の運営など、私たちの生活に欠かせない公共サービスの費用に充てられます。
固定資産税とは?土地や建物などの不動産を所有している人が支払う税金
固定資産税は、地方税のひとつで、不動産を所有している人が毎年支払う必要がある税金です。固定資産税は、私たちが住んでいる地域をより良くするために使われています。例えば、道路の整備や公園の維持、学校や病院の運営など、私たちの生活に欠かせない公共サービスの費用に充てられます。
固定資産税の対象となるもの:土地、建物、償却資産など
固定資産税は、土地、建物、償却資産(飛行機や船舶、車両、パソコンなどの備品)といった固定資産の所有者に課せられます。住宅の場合、土地と建物それぞれに固定資産税が課せられます。
- 土地:田畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、その他の土地(雑種地)
- 建物:住居、店舗、工場、倉庫、その他の建物
- 償却資産:構築物、機械、装置、工具、器具、備品、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税法又は所得税法上、減価償却の対象となるべき資産。ただし、自動車税種別割、軽自動車税種別割の課税対象となるものは除く
固定資産税の納税義務者:不動産の所有者
固定資産税の納税義務者は、毎年1月1日時点でその不動産を所有している人です。不動産を購入した場合、1月2日以降は納税義務は発生しません。ただし、不動産の売買契約において、1月1日~売却日の間は売主が、売却日~12月31日までは買主が固定資産税を負担するというような取り決めがなされる場合があります。売却した前オーナーは、売却時点で物件を保有していないにもかかわらず固定資産税を納付することになります。そのため、売買成立後の固定資産税は日割り計算したうえで、買い主が売り主に清算する方法が一般的となっています。
戸建ての固定資産税はいくらくらい?平均額と計算方法
戸建てにかかる固定資産税の金額は、土地の広さや建物の築年数、使われている建築素材、周辺地域の地価など、さまざまな要素によって変わります。ここでは、戸建ての固定資産税の平均額や具体的な計算方法を解説していきます。
戸建ての固定資産税の平均額:築年数や地域によって異なる
戸建ての固定資産税の平均額は、年間10万円~15万円程度です。ただし、これはあくまでも目安です。同じ広さの土地と建物でも、地域や築年数によって固定資産税の金額は大きく変わります。目安として、東京都が固定資産税と都市計画税の負担額について委託調査した結果があります。
- 東京23区:約22万円
- 多摩地域:約16~21万円
- 横浜市:約17~20万円
このように、都市部では固定資産税が高額となる傾向があります。固定資産税の金額は、住む場所によって大きく変わるため、家を購入する際には、事前に固定資産税の金額について調べておくことをおすすめします。
固定資産税の計算方法:土地と建物の評価額に税率を乗じる
固定資産税の計算方法は、以下の式で行います。
固定資産税額 = 固定資産評価額 × 税率
固定資産税評価額とは、国が定めた固定資産評価基準に基づいて、各自治体が個別に建物・土地を評価した金額のことです。固定資産税評価額は、市町村から届く固定資産税の納税通知書に記載されているため、手元に通知書がある場合は実際に計算してみると良いでしょう。
固定資産税評価額が分かれば、税率を掛けることで、固定資産税額を計算することができます。
固定資産税評価額の確認方法:市役所や税務署で確認できる
固定資産税評価額は、市区町村の税務課や都税事務所で確認することができます。固定資産税評価額を確認する方法はいくつかあります。
- 固定資産税の納税通知書を確認する
- 固定資産課税台帳を閲覧する
- 固定資産評価証明書を発行してもらう
固定資産税評価証明書は、市区町村の税務課で発行してもらえます。証明書を取得する際には、手数料がかかります。具体的な手続き方法については、各市区町村のホームページで確認してください。
マンションの固定資産税はいくらくらい?平均額と計算方法
マンションの固定資産税は、戸建てに比べて安い傾向があります。これは、マンションは戸建てに比べて所有する土地の面積が狭いことが主な理由です。ここでは、マンションの固定資産税の平均額と具体的な計算方法について解説していきます。
マンションの固定資産税の平均額:戸建てと比べて安い傾向
マンションの固定資産税の平均額は、戸建てと比べて安く、年間8万円~12万円程度です。ただし、築年数やマンションの規模、共用部分の面積などによって金額は変わります。
固定資産税の金額は、住む場所によって大きく変わるため、家を購入する際には、事前に固定資産税の金額について調べておくことをおすすめします。
マンションの固定資産税の計算方法:戸建てと同様、土地と建物の評価額に税率を乗じる
マンションの固定資産税の計算方法は、戸建てと同様、以下の式で行います。
固定資産税額 = 固定資産評価額 × 税率
マンションの場合、土地と建物それぞれに固定資産税評価額が設定されます。土地の固定資産税評価額は、マンション全体敷地面積を戸数で割った面積分、建物の固定資産税評価額は、住んでいる部屋の広さを基準に算出されます。
マンションの固定資産税評価額の確認方法:管理組合や不動産会社から確認できる
マンションの固定資産税評価額は、管理組合や不動産会社から確認することができます。管理組合では、マンション全体の固定資産税評価額を把握しています。また、不動産会社では、過去の取引事例などを基に、固定資産税評価額の目安を提示してくれる場合があります。
固定資産税を安くする!軽減措置と節税方法
固定資産税は、住宅を所有している限り毎年支払う必要のある税金です。固定資産税の金額は、土地や建物の評価額だけでなく、様々な軽減措置を受けることで、少なくすることができます。ここでは、固定資産税を安くするための軽減措置や節税方法について解説していきます。
住宅用地の特例措置:住宅用地として利用されている土地に対する軽減措置
住宅用地として利用されている土地は、固定資産税の評価額が軽減される「住宅用地の特例措置」の対象となります。住宅用地の特例措置は、敷地面積によって軽減率が異なります。
- 200㎡以下の部分(小規模住宅用地):固定資産税評価額の1/6
- 200㎡を超える部分(一般住宅用地):固定資産税評価額の1/3
住宅用地の特例措置を受けるには、申請が必要となります。申請には期限があるため、早めに手続きを行うようにしましょう。
新築住宅の減税措置:新築住宅の取得・建築に係る軽減措置
新築住宅を購入した場合は、固定資産税の減税措置が受けられる場合があります。この減税措置は、2024年3月31日までに新築された住宅が対象です。減税措置の期間は、住宅の種類によって異なります。
- 一戸建て:新築から3年間、固定資産税評価額の1/2
- マンション:新築から5年間、固定資産税評価額の1/2
また、長期優良住宅の場合は、減税措置がさらに2年延長され、住宅は合計5年、マンションは合計7年間、固定資産税が減額されます。
新築住宅の減税措置を受けるには、申請が必要となります。申請には期限があるため、早めに手続きを行うようにしましょう。
固定資産税の節税対策:省エネリフォームや長期優良住宅認定など
固定資産税を安くするには、軽減措置の利用以外にも、省エネリフォームや長期優良住宅の認定など、様々な方法があります。
- 省エネリフォーム:省エネ性能の高い窓や断熱材に交換するなど、省エネ性能を向上させるリフォームを行うことで、固定資産税が減額される場合があります。
- 長期優良住宅の認定:長期優良住宅は、耐震性や耐久性、省エネ性能などが優れている住宅です。長期優良住宅の認定を受けると、固定資産税の減税措置が受けられるだけでなく、住宅ローン減税の対象となる期間が延長されるなどのメリットがあります。
- 耐震リフォーム:耐震性能の高い住宅は、地震などの災害に強いだけでなく、固定資産税の減額対象になる場合もあります。特に築年数の古い住宅は、耐震性を強化することで、固定資産税の負担を軽減できる可能性があります。
- バリアフリーリフォーム:高齢者や障がい者にとって住みやすい住宅にするためのリフォームである「バリアフリーリフォーム」も、固定資産税の減額対象になる場合があります。バリアフリーリフォームは、住宅の価値を高めるだけでなく、固定資産税の負担軽減にも役立ちます。
固定資産税の節税対策は、住宅の価値を高め、将来的な資産価値の維持にも役立ちます。これから住宅を購入する際は、これらの節税対策も検討するようにしましょう。
まとめ
固定資産税は、土地や建物を所有している人が毎年支払う必要がある税金です。戸建てとマンションでは、固定資産税の金額が大きく異なる場合があります。戸建ては土地の面積が広く、マンションは戸建てと比べて土地の面積が狭いため、一般的にはマンションの固定資産税の方が安くなります。
固定資産税は、様々な軽減措置や節税方法を活用することで、負担を軽減することができます。固定資産税の計算方法や軽減措置の条件などを理解し、賢く固定資産税を支払っていきましょう。
今回の記事が、あなたの住宅購入の参考になれば幸いです。