中古住宅を購入する際に、住宅ローン控除の制度を利用すれば、税金が戻ってくるため、お得にマイホームを実現できます。
しかし、中古住宅の住宅ローン控除には、新築住宅とは異なる条件や注意点があります。
この記事では、中古住宅の住宅ローン控除について、具体的な条件や手続き、賢く利用するためのポイントを分かりやすく解説していきます。
住宅ローン控除制度:中古住宅購入のメリット
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合、一定期間、税金から住宅ローンの年末残高の一定割合を差し引ける制度です。
中古住宅購入においても、この制度を活用することで、以下のようなメリットが得られます。
税金が還付される:最大210万円の控除
住宅ローン控除は、所得税と住民税から控除されます。
中古住宅の場合、控除期間は10年間で、毎年最大21万円(借入限度額3,000万円の場合)の控除を受けられます。
つまり、最大で210万円の税金が戻ってくる計算になります。
住宅購入の費用負担を軽減:家計へのメリット
住宅ローン控除によって税金が戻ってくることで、住宅購入にかかる費用負担を軽減できます。
毎月の返済額を抑えたり、頭金に充てる資金を増やしたりすることで、家計への負担を減らすことができます。
中古住宅購入の促進:国の政策によるメリット
住宅ローン控除制度は、中古住宅の購入を促進するための国の政策です。
中古住宅の流通を活性化させ、より多くの人が住みやすい環境を整備することを目的としています。
中古住宅購入における住宅ローン控除の条件
中古住宅を購入する際に住宅ローン控除を適用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。
居住用として利用すること
住宅ローン控除は、あくまでも「居住用」の住宅に対して適用される制度です。
投資目的などで購入した住宅や、賃貸住宅として貸し出す住宅は、住宅ローン控除の対象外となります。
床面積の要件:50㎡以上
住宅ローン控除の対象となる住宅は、床面積が50㎡以上である必要があります。
ただし、マンションなど建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する部分の床面積が50㎡以上であれば問題ありません。
築年数の要件:1982年以降に建築された住宅
2022年の税制改正により、中古住宅の住宅ローン控除の築年数要件は大幅に緩和されました。
現在では、1982年(昭和57年)以降に建築された住宅であれば、原則として住宅ローン控除の対象となります。
ただし、1981年以前に建築された住宅については、耐震基準適合証明書などを取得する必要があります。
住宅ローン控除を最大限に活用するためのポイント
住宅ローン控除を最大限に活用するためには、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
省エネ性能の高い住宅を選ぶ:控除額アップの可能性
住宅ローン控除の借入限度額は、住宅の省エネ性能によって異なります。
長期優良住宅や低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅など、省エネ性能の高い住宅であれば、借入限度額が3,000万円となり、最大210万円の控除を受けられます。
リフォームと併用:控除額増加の可能性
中古住宅を購入する際に、リフォームを行う場合もあります。
リフォームの内容によっては、リフォーム減税と住宅ローン控除を併用できるケースがあります。
リフォーム減税は、耐震リフォーム、バリアフリーリフォーム、省エネリフォームなど、一定の要件を満たすリフォームに対して、所得税の控除を受けられる制度です。
返済期間を長く設定:控除期間を長く確保
住宅ローン控除は、返済期間が10年以上であることが条件です。
返済期間を長く設定することで、住宅ローン控除の適用期間を長く確保することができます。
住宅ローン控除の申請手続き
住宅ローン控除を適用するには、入居した年の翌年に確定申告を行う必要があります。
確定申告:最初の年の手続き
住宅ローン控除を適用する最初の年は、確定申告が必要です。
確定申告の申告期間は毎年2月16日から3月15日です。
必要書類:住宅ローン契約書、登記事項証明書など
確定申告を行うには、いくつかの書類が必要です。
必要な書類は、住宅ローンを借りている金融機関や法務局などで取得することができます。
2年目以降の手続き:年末調整で申告
会社員の場合、2年目以降は、確定申告ではなく年末調整で住宅ローン控除を適用できます。
年末調整の手続きは、勤務先に必要な書類を提出することで行います。
まとめ
中古住宅の住宅ローン控除は、新築住宅と比べて、適用条件や手続きが異なる点があります。
しかし、適切な手続きを行うことで、税金が戻ってくるため、家計への負担を軽減できます。
中古住宅の購入を検討している方は、住宅ローン控除制度を理解し、賢く活用することで、よりお得にマイホームを実現できることを覚えておきましょう。