抵当権抹消のやり方!手続きの流れ、必要書類、費用を解説
抵当権抹消の手続きは、住宅ローンを完済したときや、不動産を売却するときなどに必要になります。しかし、抵当権は借金を完済しても自動的に消えるわけではありません。自分で手続きをしなければ、登記簿上は抵当権が残ったままになってしまい、不動産の売却や新たな融資を受ける際に不利になる可能性があります。

この記事では、抵当権抹消の手続き方法について、分かりやすく解説していきます。手続きの流れや必要な書類、費用、注意点などを詳しく説明するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

抵当権抹消とは?どんな時に必要になるのか

抵当権抹消とは、不動産に設定されている抵当権という担保を抹消する手続きです。抵当権は、住宅ローンなどの借金を完済しても自動的に消えるわけではありません。そのため、自分で手続きをしなければなりません。

抵当権抹消が必要となる主なケースは、以下のとおりです。

住宅ローン完済後の抵当権抹消

住宅ローンを完済したら、抵当権を抹消して、登記簿上もきれいにしておきましょう。抵当権が残っていると、不動産を売却したり、新たに融資を受けたりする際に、不利になる可能性があります。

不動産売却時の抵当権抹消

不動産を売却する際にも、抵当権を抹消する必要があります。抵当権が残っていると、買い手はローン審査が通らず、購入を諦めてしまう可能性があります。

相続発生時の抵当権抹消

相続が発生した場合、相続した不動産に抵当権が残っていると、相続人がその抵当権を引き継ぐことになります。そのため、相続が発生する前に抵当権を抹消しておくと、相続手続きがスムーズに進みます。

抵当権抹消をしないとどうなるのか?

抵当権抹消をしないと、様々な問題が発生する可能性があります。

抵当権が残ったままの売却は難しい

抵当権抹消をせずに不動産を売却しようとすると、買い手はローン審査に通らなかったり、抵当権が残っていることに不安を感じたりして、購入を諦めてしまう可能性があります。

抵当権抹消の手続きに必要な書類

抵当権抹消の手続きには、いくつかの書類が必要となります。

抵当権設定登記済証

抵当権が設定された際に、金融機関から交付された書類です。登記済証と記載されている場合もあります。

金融機関からの委任状

金融機関が、抵当権抹消の手続きを所有者に委任することを示す書類です。

登記申請書

法務局で用意されている申請書に、必要事項を記入します。

不動産の権利証

不動産の所有権を証明する書類です。

所有者の本人確認書類

運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの本人確認書類が必要です。

抵当権抹消の手続きの流れ

抵当権抹消の手続きは、以下の4つのステップで行います。

金融機関に抵当権抹消の依頼をする

住宅ローンを完済したら、金融機関に抵当権抹消の依頼をします。金融機関は、抵当権抹消に必要な書類一式を所有者に送付します。

必要書類を揃える

金融機関から送られてきた書類に加え、登記申請書、不動産の権利証、所有者の本人確認書類などを準備します。

法務局へ登記申請を行う

必要書類が揃ったら、不動産の所在地を管轄する法務局へ登記申請を行います。申請方法は、窓口で直接申請するか、郵送で申請するかを選択できます。

登記完了の通知を受ける

登記申請が完了すると、法務局から登記完了の通知が届きます。登記完了までに、1週間から10日ほどかかる場合もあります。

抵当権抹消登記済証を受け取る

登記完了後、法務局で抵当権抹消登記済証を受け取ります。抵当権抹消登記済証は、抵当権が抹消されたことを証明する書類です。

抵当権抹消にかかる費用

抵当権抹消にかかる費用は以下のとおりです。

登録免許税

登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。例えば、土地1筆と建物1棟の抵当権を抹消する場合は、2,000円の登録免許税がかかります。

登記申請手数料

法務局に登記申請を行う際に、手数料がかかります。手数料は法務局によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

司法書士費用(依頼する場合)

司法書士に抵当権抹消の手続きを依頼する場合は、報酬が発生します。報酬は、1件あたり1万円前後が相場です。

その他の費用(郵送料など)

郵送料や登記事項証明書の発行費用などが発生する場合があります。

費用を抑える方法

抵当権抹消の費用を抑えるには、自分で手続きを行うのがおすすめです。しかし、手続きが複雑な場合は、司法書士に依頼したほうが安心です。

抵当権抹消手続きの注意点

抵当権抹消の手続きには、いくつかの注意点があります。

必要書類の期限切れに注意する

抵当権抹消に必要な書類の中には、有効期限が設定されているものがあります。期限切れの書類は使用できないため、期限内に手続きを済ませるようにしましょう。

住所や氏名に変更がある場合は、変更手続きが必要

抵当権設定後に住所や氏名に変更があった場合は、抵当権抹消登記と同時に、住所や氏名変更の登記を行う必要があります。

所有者が亡くなっている場合は、相続手続きが必要

不動産の所有者が亡くなっている場合は、相続登記が必要です。相続登記を完了してから、抵当権抹消の手続きを行ってください。

司法書士に依頼するメリット

抵当権抹消の手続きは、自分で行うこともできますが、司法書士に依頼するメリットもあります。

手続きがスムーズに進められる

司法書士は、不動産登記に関する手続きに精通しています。そのため、司法書士に依頼すれば、手続きがスムーズに進みます。

まとめ:抵当権抹消は早めに手続きを済ませよう!

抵当権抹消の手続きは、一見、面倒に思えるかもしれません。しかし、放置しておくと、不動産を売却したり、新たな融資を受けたりする際に、大きな不利益を被る可能性があります。

住宅ローンを完済したら、または不動産を売却する際には、抵当権抹消の手続きを早めに済ませることが重要です。

もし、自分で手続きを行うのが不安な場合は、司法書士に相談してみましょう。司法書士は、抵当権抹消の手続きを代行してくれるので、安心して任せられます。