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一戸建て住宅やマンションの売却で悩むことの一つに「いつ売るか?」という問題があります。
せっかく売るなら少しでも高く売りたいもの。タイミング一つで売却価格が変わってくるのであれば、しっかり知識を深めてお得に売却したいですね。
一戸建て住宅やマンションを売却するタイミングについて考えてみましょう。
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よく売れるシーズンとは?
日本では4月が年度の切り替え時期です。新年度や新学期が始まり、家族の大きなイベントに合わせて引っ越しをする人が多い時期でもあります。売買はもちろん賃貸も動きが激しく、市場が活発な時期です。
実際に住宅の購入を考える理由として、「子供の小学校入学や中学進学」を挙げる人は大変多いといわれています。
子供のことを考えると「小学校の途中で転校させるのはかわいそう、小学校が決まったら6年間は引っ越しはしたくない」とい思うのが親心です。
もし小学校入学に合わせるのであれば3月末までにはどうしても引っ越しを済ませていたいもので、それに合わせて新居購入の段取りを組んでいくでしょう。
一戸建て住宅でもマンションでも3月に入居したいのであれば、それまでの2~3ヵ月の間に購入手続きを行うものです。つまり、年度末の1月から3月は買い手が多く、売りやすいタイミングと言えます。
また前年の秋もねらい目です。企業の中では9月は異動シーズンです。
また、不動産会社も含めて企業の最終決算期は3月が多いですが、不動産売買で3月に結果を出すためには、数カ月前の秋に契約をとらなければなりません。
というのも、マンションでも戸建てでも、販売活動開始から引き渡し完了までには3ヵ月から5ヵ月かかってしまうからです。
不動産会社は早めにスタートダッシュし、年末、お正月、1月末くらいにゆとりをもって引き渡し完了できるよう、しのぎを削って契約のために奮闘します。
このような点から、秋も一戸建住宅やマンションを売却するタイミングとしては良い時期と言えるでしょう。
市場価格が上がった時が絶好のタイミング!?
一戸建て住宅やマンションを売るとき、市場価格が上がっていれば当然それに伴い売却価格も上がるものです。
単純に、市場価格や相場が最高のタイミングに合わせて売却すれば、一番うまい売却となるでしょう。
しかし問題は「市場価格のピークとはいつか?」です。
市場価格の上下は常に起きていることで、為替相場のように小さな上下を繰り返しながら多きな波を描いていくものです。
上がり続けていたと思ったら突然下がり、下がり続けてまだ下がると思ったら急激に上がる等という複雑な動きをしますので、振り返ってみて初めて過去何か月間は右肩上がりであったなどとわかるものです。
プロにとってもピークがいつかを見極めることは難しいものですので、一般の人が市場価格の動きから売却のタイミングを決めるということは、かなりハードルが高いと言えます。
もし、市場価格や相場を目安に売却時期を決めるのであれば、「買った時の相場」を基準に考えるということがあります。
買った時の相場よりも今の相場の方が高いのであれば、それは売却のために良いタイミングと考えることができます。
売り時はいつか?の判断は簡単ではありませんが、相場を基にして考えるのであれば、購入時期より上がっていれば売り時と言えるでしょう。
税制から考えてタイミングを計る
一戸建て住宅やマンションを売却すると、売却によって得た利益は収入となりますので、税金がかかります。売却利益のことを「譲渡所得」といい、それに対して、所得税と住民税がかかるのです。
この税金は、売り出した時点での物件所有期間によって税率が変わってくるため、注意が必要です。
下の表を見るとわかるように、5年、10年での区切りがあり、そこで税率が変わります。つまり、5年、10年近辺で売却を考えている場合には、少しタイミングをずらすことで税金を減らすことができる、あるいはうっかりすると余分な税金を払う羽目になるということです。
とりわけ5年以下の短期譲渡では30%以上の高い税率となっていますので、売却のタイミングには注意したいものです。
ちなみに、この所有期間とは、「売却した年の1月1日現在」が基準となっています。
売却した年の1月1日現在ということですので、例えば、2018年6月に所有期間が満5年経過したといって同月に売却してしまうと、短期譲渡になってしまいます。
2018年の1月1日には、満5年経過していないからです。この場合は、翌年2019年の1月1日まで待って初めて、5年超の所有期間が満たされるということになります。
<所有期間による譲渡所得の税率の違い>
区分 | 所有期間 | 税率 | |
所得税 | 住民税 | ||
短期譲渡 | 5年以下 | 30.63% | 9.0% |
長期譲渡 | 5年超 | 15.315% | 5.0% |
軽減税率の特例 (居住用財産) |
10年超(譲渡所得6000万円以下の部分) | 10.21% | 4.0% |
10年超(譲渡所得6000万円超の部分) | 15.315% | 5.0% |
※所得税には復興特別所得税2.1%を含む
築年数から売却タイミングを計る
戸建てやマンションの売却価格は、その築年数に大きく左右されます。
当然古くなれば古くなるほどその売却価格は下がるものですが、特に急下降していくタイミングがありますので、築年数も視野に入れてタイミングを計ることが賢明です。
一戸建て住宅の場合は、築15年以降、価格の下落が激しくなるといわれています。築15年くらいから、設備等の修繕費が大幅に増えてくるためです。
そして、築26年となると建物自体の価格はほぼゼロとなり、土地の価格だけで取引されることがほとんどです。戸建ての売却の場合、土地の価格が基盤にあるため、建物価格が下落するものの全体的に見て下げ幅は小さいです。
マンションは、新築物件の価値が大変高く見られており、築5年ほどでその価格が2割下がるといわれています。
その後、築6年くらいからは少しずつ下がっていきますが、築15年を超えると急激な価格下落が始まります。
このようなことからマンションの売却には、築6年から15年くらいが良いタイミングと考えられます。
修繕のタイミングも売却のタイミングに影響
買い手の気持ちから考えると、購入後にいろいろなトラブルが発生することが一番嫌なものです。
そのためこの物件にいつどんな修繕がされているのか?はとても気になることの一つです。
売却を目的とした修繕はもちろんですが、どんな修繕やリフォームでも行った時には、その記録を残しておくと、売却の際にアピールすることができます。
また、修繕と売却のタイミングも売却価格に影響してきます。
戸建てでもマンションでも、築15年を過ぎると売却価格がグッと下がっていきますが、価格が下がってしまった時でもリフォームや修繕を行ってから間を開けずに売却することで、売却価格を上げることができます。
まとめ
一戸建て住宅やマンションを売却する時には、少しでも高く売りたいと考えるのは当然のことです。満足できる売却とするために、いつ売るか?絶好のタイミングをつかみたいものです。
戸建もマンションも、売り時というタイミングがあります。そこには、売却価格からの見方、売れやすさという時期的な見方、税金対策面などいろいろな方面からの見方があり、今こそが100%ベストなタイミングと言い切ることは難しいです。
また、市場価格が上がれば売却価格も上がるため、その動向に合わせたタイミングでの売却も望ましいのですが、市場価格の上下の見極めはプロにとっても難しさがあります。
しかし、わずかにタイミングをずらすだけで税金を浮かせることができたり、少しでも高く早い売却につなげることができますので、知識を深めることは大切です。
不注意による損はしないように、上手な売却をすすめてください。
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