【欠陥住宅体験談】希望がいびつな形で叶えられた家

こんにちは、管理人のサトウです。
今回は、改築の際、希望をいびつな形で再現された家を建てられた方の欠陥住宅体験談です。安く、注文側の希望が全て叶う場合は注意が必要です。折衷案や代替案を出してくれるアドバイザーに相談するのがいいかもしれませんね。

土地を購入して家を改築

私が生まれ育った実家は平屋の市営住宅でした。4DKに家族6人。両親と私と妹と母の両親です。

戦後昭和30年代に建てられた大阪郊外の新興住宅街で、同じ形の家がたくさん並んでいました。

最初は2DKだったのを父がマスオさんとして入り婿になったときに建て増したようです。

昭和53年のことでしたが市営住宅の払い下げの話があり、さっそく土地を購入して家を改築することになりました。

私たち姉妹が成長して手狭になった頃に近隣の建て売り住宅なども物色していた母と祖母は思うような物件がなかったので注文住宅で建てることに大喜びでした。

わずか30坪足らずですが、閑静な住宅街で生活も便利な立地だったのです。

設計図を見た時の印象は垢抜けた家

気の早い家族は住宅展示場の見学に行った当日にもうMホームと契約を決めてきていました。

私は早々に嫁に行くつもりだったので、家に関しては何も意見はありませんでした。自分の部屋ができるだけで満足だったのです。

設計図もさらっと見ただけでしたが、階段が緩やかならせんになっていることや吹き抜けで窓が大きいことなど、予想以上に垢抜けた印象でとても完成を楽しみにしていました。

母の希望は広いキッチンと勝手口でした。

サザエさんの家で三河屋さんが御用聞きに来ていたあの勝手口です。

祖母の希望は床の間。小さい時から奉公に出て苦労してきた祖父母は床の間のある家に住むのが夢でした。

孫娘二人をこれから嫁に出すのだから結納を飾る床の間は必要だと強く希望してくれていました。

玄関のドアが全開できない家

古い家の解体から完成まで4ヶ月あまり。

当時流行っていたプレハブ住宅は想像以上に早く完成しました。

生まれて初めてのベッドや応接セットが運び込まれ、狭いながらも4LDKに納戸もついた小さなお城でした。

でも玄関の扉が設計ミスと外塀の施工ミスで開きません。お城のドアが全開できないのです。

外壁に当たらないようにそろっと開けて入ってくる・・・まるで勝手口でした。

ドアの幅が通路よりも大きかったのです。ドアの取り付ける方角があきらかにおかしかったのです。

本来、ドアをつけるべき場所は前栽になってしまっており、壁との狭い通路がある北側に向かって取り付けられていました。

結局できたばかりの壁を削って、扉は開くようになりました。こうなるまで誰もなんとも思わなかったのでしょうか。

完成披露で来てくれた親戚や近所の方々もなんでこんなドアになったのか不思議に思ったことでしょう。

あからさまに口に出す方もいらっしゃったようです。

床の間が入口の脇に・・・

おかしなことは家の中にもありました。

床の間です。祖父母の部屋の入り口脇に床の間はありました。

部屋の奥ではなく入ってすぐ右手に申し訳程度に小さな床の間はありました。

通路に床の間作ってどうすんのって、後になって気づきました。

掛け軸をかけてもタンスの陰になって見えません。使い勝手の悪い空間ができただけでした。

案の定、数年のうちに床の間は物置状態になり、私たちの結納は仏間に飾ることになりました。

勝手口もできたのはいいですが、外に出ても隣家との細い隙間に出るだけなので、三河屋さんどころかそこから外に出ることさえほとんど無く、勝手口の外はゴミ置き場になりました。

私の部屋も天井の真ん中が無意味に1段下がっていて、そこを板でふさいでいました。

設計上、どうしても段差ができたので板にきれいな壁紙を貼っておしゃれにしときましたよと建設会社の社長に笑いながら説明されましたが、同じ間取りの妹の部屋は何もなかったので、あれも何かされたのだと思います。

リフォームの際に他にも欠陥を発見

本来扉をつけた方がよかった西側の前栽には建設会社からのプレゼントの植木が植えられもっとクレームを言って然るべき状況をなんとなく丸め込まれたんだなということはよくわかりました。

気の弱いマスオさんがどこまで相手に伝えられたのかもわかりません。

人の良い庶民家族はちょっと不具合はあるものの自分の家を持てた喜びの前ではたいしたことではないと考えたのでしょうか。

せっかくの幸せにケチをつけるのが嫌だったのかもしれません。

後にMホームが狭い土地に見事に建ったサンプルとして写真を撮らせてくださいと来たときにはびっくりしましたが両親は喜んでいました。

祖父母が亡くなり、私が出戻って、両親と息子の4人で暮らし始めてもドアの外の外壁はえぐれたままでした。

キッチンリフォームで勝手口は閉じ、お風呂をバリアフリーにして、玄関も歩きやすいようにリフォームするときに外壁を変えて出入りをしやすくしました。リフォームの際に排水溝の工事が手抜きだったこともわかりました。

両親の介護も終わり、東京に住む息子家族と暮らすために売却しましたが水回りをリフォームしていたこともあって築38年の家付きのまま買っていただけました。床の間はあのままです。

希望をいびつな形で実現

初めて家を買うのに舞い上がっていた両親たちの希望を安請け合いして、いびつな形で実現してくれたMホームにはいい印象はありません。

時代と言えばそれまでですが、希望を鵜呑みにせず、折衷案や代替案を出してくれるアドバイザーがいてくれたら、もっと違った家になっていたと思います。

消費者も今では賢くなっています。技術も進歩しています。

注文住宅を建てるのであれば事前にしつこいくらい話し合う時間も持つべきだと思います。

(体験談は以上です)

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