こんにちは、管理人のサトウです。

今回は10年ほど前に世間を騒がせた、耐震偽造の姉歯事件の被害者の方の体験談です。

まさかうちのマンションがあの姉歯の建築偽装物件!?

それは結婚して5年目のことでした。それまで賃貸マンションで生活していたのですが、子供も生まれ部屋が手狭になってきたので思い切ってマンションを購入することにしました。

場所は都内ながら、近くに池上本門寺があり自然豊かで景観の良い大田区池上のマンションです。30年ローンを組んでようやく賃貸ではないマイホームを手に入れることが出来て本当に嬉しかったです。

それから数年経ったある日、世間を騒がせた姉歯建築士の耐震偽装事件が報じられました。せっかく高いお金を支払ったのに住人の人達は大変だなと他人事のようにニュースを見ていたのですが、その偽装に拘わった建設会社がまさか自分達の住んでいるマンションだったとは思いもしませんでした。

マンションの耐震偽装が分かり目の前が真っ暗に

それからすぐにマンションの管理組合から、このマンションが耐震偽装されていると知らされ目の前が真っ暗になりました。まだ購入して10年も経っていない段階でまさかマイホームが耐震偽装だったとはこれからどうすれば良いのか家族と途方に暮れていました。

マンション付近には報道陣の記者やカメラマンが張り付いていてマンションから出入りする住人の方にインタビューをしており、私も取材に応じました。インタビューを受けていたときは冷静を装っていましたが、心中は穏やかではなかったです。

マンションは建て替え、それまでは賃貸でした

それから程なくしてマンションには国の調査が入り、耐震調査の結果強度不足であることが判明し、我々住人はマンションの自主退去を勧告されました。新たに建築基準を満たした物件に建て替えることも約束され私達は住み慣れたマンションを後にすることになりました。

建て替えられるまで手狭の賃貸マンションで生活することになりましたが、マンションの支払いは継続したままです。更に建て替え費用も新たに住民側で全額ではありませんが捻出しなければならないのです。納得いきませんでしたが、同じマンション住人の方全て同意しているので仕方なく私も同意しました。

数年後にようやく完成しました

それから数年後耐震基準を満たした新マンションが完成し、私達家族も再びマンションで生活を送ることになりました。同じように戻って来た住民の方達と良かったねと語り合いながら話をすることはありますが、欠陥マンションだと知らされたあの当時は生きた心地がしませんでした。

あの事件のために大きな金銭的負担と精神的苦痛を味わい、辛くて妻と顔を合わせて泣いたこともあります。それでもまたマンションに戻るんだという強い思いがあり頑張りましたが、ようやくそれが実現したので感慨深く嬉しく思っています。

専門家の意見を聞いてから物件を探す

こうした住宅の欠陥は一般人では到底分かりません。私の住んでいたマンションの欠陥はニュースで報じられて初めて知ることになりました。この報道により耐震偽装は勿論、欠陥住宅を掴まないためにも物件購入に慎重になっている方も増えていると思います。

一番良い対策としては専門家などの意見を聞くなどしながら物件探しをした方がいいと思います。あの騒動から10年経ちましたが現在は忌まわしい記憶も薄れつつあり、日々穏やかに生活しています。

(体験談は以上です)

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