こんにちは、管理人のサトウです。今回は阪神淡路大震災で被災した方が自宅を購入した体験談なのですが、その購入した物件が欠陥住宅だったというお話です。しかもかなりひどい状況の欠陥住宅でした。
東日本大震災や熊本での大震災など、日本は地震大国ですが、被災して自宅を建て替えなければならない事態というのは、私たちにとっても他人事ではありません。今回の体験談では、被災者がどのような状況で、どのような判断をするべきなのかなどの指針にもなるかと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
阪神淡路大震災で家を建て替え ワイドショーネタの様な欠陥住宅を買ってしまったのです
私は兵庫県在住の建築内装業を営む47歳の男性です。
私が欠陥住宅に住むことになったのは、阪神大震災により被災したためです。震災の数日前に結婚し賃貸マンションに入居する予定でしたが、そのマンションが震災により倒壊してしまいました。
それまで、私たち夫婦は実家で別々に生活していました。二人とも実家は激震地域でしたが、妻の実家の立って居る所は硬い岩盤の上だったらしく被害は少なかったのです。それに比べ私の実家は活断層の真上に立っており倒壊は免れましたが、住める状況ではありませんでした。
当時の私は結婚を機に地元に帰って独立開業する予定でした。それで新居に移るまでの間、実家で居候をしていました。震災の中いろいろありましたが、私の実家に住む親兄弟は仮設住宅に入居することになりました。
賃貸住宅も高騰 自宅を買う決断をしました
仮設住宅は狭く、私は妻や妻の家族の言葉に甘えて新居が見つかるまで、妻の実家でマスオサン暮らしをすることになりました。まだ仮設住宅も全然足りていない状況でした。そのうえ震災で住める賃貸住宅は少なく、避難所暮らしの方も多くいました。しかし、仮設住宅に入居はしたものの住宅の寒さに耐えられなくて転居を考える方も多かったため、その方々が賃貸住宅を探している状態でした。
結果として、住める賃貸物件が少ないうえに入居希望者の数は圧倒的に多く、必然的に賃料は新築物件をローンで買うのとさほど変わらない額に高騰していました。
そんな時、私の母がもう限界と仮設住宅から出たいと訴えてきました。わたしも賃貸住宅を借りることを断念しかけていたので、私達夫婦と私の実家の家族で会議をして新築一戸建てをみんなで資金を出し合って購入することにしました。
やはり考えていることはみんな一緒で、新築購入を考えている人もかなりの人数でした。市街地には物件がなく物件探しも市街地より外へと範囲を広げていきました。母からの催促が日増しに増え、母の仕事の休みに合わせ物件探しに出かけました。
焦りが産んだ判断ミス 母が格安物件に一目惚れ 即決してしまいました
前日にアポを取っていた不動産屋さんに向かい、数件案内をしていただきました。その中の物件で山林に囲まれた上り坂の多いところに2件の物件がありました。1件は震災前に売れていて、もう入居していました。住む環境には不便なのですが、南向きで有名メーカーの建材で統一していて値段も他に比べて断然安い物件でした。
不思議に思ったので何故ですかと尋ねると「工務店直売だからです。」とのことで、母は日当たりよさと、周りに山林があるので「木の根が張っているので余震が来ても大丈夫。」と物件を大変気に入り独断で購入を決めてしまいました。
雨の日に和室からジョボジョボと音がする!
引っ越しして数日後に問題が発覚しました。その日は朝から雨が降っていて、私が帰宅すると玄関横の和室から「ジョボジョボ」と水が大量に落ちる音が聞こえてくるのです。私は誰かが和室の窓を開けっぱなしにしているのだと思い、窓を閉めに和室の中に入ると部屋の中ほどの天井から雨漏りがしていたのです。すぐにバケツを探しに洗面所に向かいました。洗面所の手前にリビングがありそこでは仕事を終えた家族全員がくつろいでいました。事情を話してからは家族総出で大慌てでした。
次の日、工務店を呼び惨状を見せて対処を求めました。周りに数件建築中で購入者も決まっていましたので、変に私たちが騒ぐのを嫌ったのか対応は素早かったです。次の日から補修工事が始まりました。周りの建築中の物件から、いろんな業者が立ち代わり補修に当たりました。
原因はバルコニーの防水不良だったのですが、、、
原因を尋ねたところ、和室の上がバルコニーになっているのですが、防水の不備で亀裂があってそこから天井の断熱材のビーニールの上に水がたまり、ついに水が一気にしたたり落ちたとのことでした。補修工事が終了して雨漏りが止まっているか確かめたかったのですが、まとまった雨も降らずに遂に梅雨の時期になりました。
補修後 梅雨の季節に家中から雨漏りが発生! 業者はトンズラこきました
そのころには2件しか建っていなかった住宅が合計10件になっていました。そして梅雨本番になり、やはり大変なことに!!
雨漏りが和室だけではすみませんでした。すぐに工務店に電話をかけましたが、受話器の向こうから聞こえてきたのは「現在この電話はお客様の都合により現在繋がりません・・・」 えぇーーー、なんと電話が繋がらないのです。
下水の配管処理をしていないため汚物が床下に、、、
販売の仲介業者に電話をすると「私共も困っています、周りのお客様からもいろんな不具合のクーレームがきていまて・・・」という状況でした。そしてこの工務店から物件を購入したご近所さんで話し合いをする事になりました。
不具合の出ること出ること! 3番目に購入した方は下水の配管処理がなされていなく、基礎の下で汚物がたまっているという凄惨な状態でした。全員一致で訴えを起こす事でまとまりましたが、結局は泣き寝入りでした。
結局泣き寝入りです 破格な値段に飛びついたのが運の尽きでした
そのころには破格の価格で全棟販売し終え工務店の事務所、自宅は無人でした。最終的に各々が自腹で補修することになりました。結局のところ我が家の欠陥の雨漏りは、震災を受けた住宅なのに震災後に建てたと嘘をついて、応急処置でペンキの塗り替えで済ませたものだったのです。
とんでもない悪徳建築業者に当ってしまったようでした
更に突貫工事と経費を浮かせるため、建築の時に山林を伐採した生木をそのまま地中に埋め立てていたようで、時間がたってその生木が腐り、地盤が緩み沈下が進んでしまったのです。その最悪の地盤の上に建っているため、大震災で発生した亀裂がどんどんと広がり、そこから雨水が入ってくるというものでした。
仕事は建築の内装関連でしたが外装のことは無知で、まして修行先から離れていたので、お世話になった建築関係の方にも購入の相談が出来なかったのがいけなかったと思っています。
今ではこんな悪徳業者はいないでしょうが、住宅購入に際して焦って物件を選ばずに一流企業で購入するか、もしくは専門家に住宅選考の時に同行してもらうのが良いと思います。
(体験談は以上です)
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